- コラム
電気自動車のスポーツカー
スポーツカーにとって重要な要素は「官能性」です。
体感できるエンジン音はスポーツカーならではなものではないでしょうか。
その一方、EV・PHEVにおいて「静粛性」はひとつの特徴であり、メリットとなっています。
この相反する部分がEV・PHEVのスポーツカーづくりにおける大きな課題となっているわけです。
この課題に対して真っ先に答えを出したのが、皆さんご存じのポルシェでした。
「タイカン」に「ポルシェ・エレクトリック・スポーツサウンド」というフェイクサウンドのオプションを用意したのです。
ポルシェがサウンドをつけたのは、EV・PHEVを「つまらない」と考えるスポーツカーファンがいるからというより、研究の結果、サウンドがあったほうがリズムを掴みやすく「ドライバーがうまく運転できる」ということが判明したからです。
しかし、実際に耳にすると、そのサウンドはなかなかエキサイディングでインパクトのあるものでした。
さらに、マセラティもイタリアのハイエンド音響機器ブランド「ソナス・ファベール」の3Dサウンドシステムなどにより、「グラントゥーリズモ フォルゴーレ」の室内にマセラティらしいサウンドを再現し、ドライビングプレジャーとの調和を図っています。
これらはあくまで演出であり、「本物のサウンドではない」という見方はついて回るでしょう。とはいえ、名だたるスポーツカーブランドがEV・PHEVの官能性という課題に対してどのようなアプローチを見せるのか、非常に興味深いテーマと言えます。